10万人のことば

2015年3月10日…東京大空襲70年目の日。
中学の同級生である舞踏家の鈴木一琥の命題のひとつであるパフォーマンス『3.10 10万人のことば』を観に行かせてもらった。

2005年から始動したこの舞台も今年で11回目だそうだ。
浅草の焼け残った蔵を再利用したギャラリー・エフ。

狭い空間に30人のオーディエンス。
目の前数十センチの距離で鬼気迫るパフォーマンスが繰り広げられた。
幼い頃空襲に遭い命からがら生き延びた方々も70代後半。
そんな方々の悲惨な生々しい証言テープが唯一の音響。
静まり返った空間に一琥の呼吸音と汗だけが迸る。
その舞踏は意味を考えるのではなく「感じる」ものなんだと痛感した。
そこには怒り、悔しさ、恐怖、絶望感、そしてその地獄の中でも「生きなきゃ!」と言う覚悟が確かにあった。
ますます不穏な流れになってきた(させられてきた)最近の世界情勢。
そして不戦の誓いを切り捨てようとしている感が否めない現日本政権。
戦争に正義など存在しない。
無念の中、先の惨禍に命を落とした10万人の声。
今この時も無念の中、惨禍で命を落としている人々の声。
その無言の叫び声にきっちり真正面から耳を傾けなきゃさぁ…。