JU-SHIN


1989年4月24日デビューなのですでに(あくまでライガーとして)現役22年。言うまでもなく日本のマスクマンとしては最長記録だ。モデルチェンジを繰り返し、もはやマスクと言うより立体造型の世界と言ってもおかしくないレベル。頭部ベルトも“とある理由”から形状を変え、やがて立体になった。マスク自体も今や最終型として2枚はぎからベルト無しの4枚はぎの外装になり、頭はボア付きになってしまったのは皆さんご存知のところ。
ライガーのマスク、コスチューム、靴と全てを長年に渡って製作してきた師匠も『何でここまでやっちゃったのかなぁ(笑)』と言っていた程その作りは凄い。マスクの本場メキシコでもライガーは別格らしく、現地の関係者が10万で売って欲しいと言っていたそうだ。
ライガーのマスク製作のほとんどがパーツ作りに費やされる。それぞれのパーツが1つ1つしっかり作り込まれるのだが、SIMAの大御所は『ありゃ!ここもこんな細工を!』という小技を随所に入れてくる。20年以上も作っている中で普通ならある程度の所で完成形になり、ノウハウは固定されると思うのだが、師匠は“ここはもうちょいこうした方が〇〇しやすいだろう”と思うと常に改訂していく。それをSIMAでは“進化”と呼ぶ。そこは本当に師匠の凄い所である。
プロレス業界も実に厳しいご時世の昨今。ライガーはマスクだけでも本人納めで6〜7万するので山〇さんもそうそうに作り直せる代物ではなくなってきた。メキシコで作らせたり、タニマチのマスクを被ったりしつつ低予算でやってきてもやはり作りも被り易さもSIMAのマスクには敵わないという事で結局はSIMAに製作依頼。そんなこんなは師匠の意にそぐわないためボア付きをやった際に『山〇さぁん、うちはこれでもうやらないよ』と言ったとか言わなかったとか( ̄∀ ̄)
いずれにしてもこの“ライガー”というマスクはプロレスマスク業界の中で最高峰の作品であると確信して止まない。